どんな風に泳いでた?

泳ぎ方、忘れた

舞台「世界の終わりに君を乞う」観劇感想

りんご飴を20年と少し生きてきて一度も食べたことなかったのですが(歯がかけると思っていた)この夏はじめて食べてこんなに美味しい食べものがこの世にあったのかと感動した。それ以来、わざわざ原宿でネオンりんご飴買ったり、りんご飴専門店で購入したり都内の土産がもっぱらりんご飴になりつつある。嗚呼、食べたい。

 

 

 

12月8日マチネ公演

エムキチビートさんの世界の終わりに君を乞う
観劇してきました。席はすごく近くて真ん中。見やすいなあ〜なんてのんきに構えてました。12月、仕事がやたら忙しかったせいか事前に感想を探したりしなかったです。あらすじを読むくらい。なのでぼんやりラブファンタジーかな〜なんて思っていたので横っ面を叩かれた。これは、すごい、
二時間半、ひとときも目を離すことができなかった。食い入るようにみて、時折視界が滲んだ。声を出さないように気をつけて、涙だけ必死に拭った。めちゃめちゃ泣いた。

 

YouTubeで公開されていた稽古動画。終わったあと観た。


音劇『世界の終わりに君を乞う。』OP稽古動画


最初は本当になにも知らない状態だった。推し誕生日だしこの日にするかあくらいの感覚だった。もっと観ればよかった。

銀河鉄道の夜不思議の国のアリス鏡の国のアリスでおなじみの登場人物が出てくる。この3つを混ぜて混沌としないのがすごい。

黒沢ともよさん、アニメではよく観ていたけれど、舞台で初だった。
この子の透明感のあるたおやかな歌声が心地よい。追い詰められたり、取り乱していくとこちらも不安でたまらなくなる、助けてあげたくなるヒロインだ。
そんな彼女を支えるのが木戸さん演じる修二。観てるだけでドキドキする距離感。二人が歌う歌は本当に優しく可愛らしい。

そして二人の幼馴染の那由多。立道莉緒奈さんが演じています。立道さん、キリリとしたお顔の美人な方でした。パンフレットに載っていた代表作見たらウテナで有栖川先輩演じているとのこと。はー絶対似合う。dアニメストアで配信してた気がするから後で観よう。
那由多/赤の女王の歌が本当にすごくて、うっとり聴き入ってしまった。凛としていて、強く響く歌声。低音がほんとに素敵。
白うさぎ!圧倒的に顔が好き!にこって笑い方があまりにも整い過ぎてて見惚れた!可愛かったな〜〜〜あと大祟くん動きがすごくしなやかでかっこよかった!のに演劇サークルターンではわんこ型後輩でギャップ!たいへんよすぎ!

演出のお気に入りは椅子を使ったところと白と赤の兵が入り乱れるとこ。演者さんの身軽さが素敵。
電車に乗り込むシーンは悲しくて悲しくて悲しくて。
すべて繋がったあとの、あの電車の一番恐ろしい音が鳴るシーンはあまりに怖くて目を瞑った。


せっかく近くの席に座ったのだから、大河くんをよく見ようと思っていたのに、ストーリーに引き込まれすぎてよくわからないのが本当だ。
ただ一つわかるのは大河くんの役、好きすぎた。
いや、ビジュアルが超超超好みなのは1000年前からわかっていたんだけど、ふたつ先輩のキャラが超超超超好きで困った。小柄で演出家で先輩で、後輩の大崇くんに懐かれていて仲良しなの超〜かわいい。演劇サークルみんなかわいかった。好き。おかげでボロ泣きスイッチがさらに点灯した。

実際にあった事故をとりあげたこの舞台はとてもヒリヒリしていた。美しい生演奏が全体を彩り、物語の根底に潜む冷たい絶望を滲ませるような上質な舞台でした。
しばらく余韻に浸りたいからこれで今年は観劇納めにしたいですね。

 

 



以下は物語の決定的なところにふれるネタバレ有りなので嫌な方は注意。




現実と夢との境、これが誰の夢で誰の願いなのか、曖昧さに滲んだファンタジックな世界。優しい人ばかりの世界が余計に悲しい。この世界がずっと続けばいいのにと願うけど、世界のひみつに気づいた一葉はそれを選ばなかった。
一葉は無敵型ヒロインではない。敵をなぎ倒す強さはない。剣はもたない。劣等感や将来に不安がある女の子だ。だけど、一葉は泣きながら、わからないと迷いながらそれでも進んだ。仲間と別れ、恋人と別れ、旅の終わりで、親友を銀河鉄道からおろす。生きて、と願う。乞う。乞うとは「相手に与えてくれるよう、してくれるよう求める」という意味だ。
残された那由多は一人、これからも生きていく。
那由多の心の傷は本人の口からは語られない。
目が覚めた那由多はきっとまだ痛いままだ。
一葉に「生きて」と言われ「乞われた」那由多は生きていく。
赤の女王は自らを殺そうとしているという比較的冒頭の言葉がまさかラストに繋がっていて衝撃的だった。
修士が一葉に「いてくれてよかった」って言ってもらえたシーンは本当によかったねってなんだかまた泣いた。けしてすべて彼が悪いわけじゃないのに大切な人と幼馴染を失ってしまって慟哭した彼が自ら命を絶ち、もう一度一葉に会えて一葉を守るために全力を尽くしてその言葉をもらえて本当に良かった。抱きしめてもらえてよかった。


物販、半泣きで行ったのでなに売ってるかよく確認していなかったんですけど台本売っていたんですね。買えば良かった。感想で出したセリフとか間違えていたらこっそり教えてください。

 

アイフォンのメモで感想書いて,はてブロで追記したらフォントバラバラで見づらいったらないな。

 

 

12月13日/誤字修正